タウンエースの荷室窓をパンチングボード化!車検対応・脱着式DIYの全手順

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車中泊仕様のカスタム例やカスタム動画をみると、多くの方が行っている「荷室後部サイド窓のボード化」。

車中泊時のプライバシー確保や防犯、冬場の冷気・夏場の遮熱を考えると、そもそも窓の目隠しは必須です。しかし、市販のサンシェードを全面に貼るだけでは芸がありませんし、単純に木目調パンチングボード(有孔ボード)にするとカッコいい!

と、いう事で、荷室後部のサイド窓枠にヴィンテージ風の木目調パンチングボード(有孔ボード)をぴったりはめ込み、収納壁化するカスタムをうちのタウンエースにも施すことにしました。

ただし、このカスタムには商用車特有の大きな落とし穴があります。それは「車検リスク」です。

今回は、私が実際に整備工場で車検のリスクをヒアリングした上で施した「数分で完全脱着でき、何度外してもネジ穴がバカにならない鬼目ナット仕様」の製作手順を参考程度にご紹介します。

【必読】DIY前に知っておくべき車検リスクと「脱着式」にした理由

作業に入る前に、絶対に共有しておかなければならない重要なポイントがあります。

車検官による判断のブレ:なぜ窓埋めがNGになるのか?

商用バン(4ナンバー)の荷室窓にボードを固定するカスタムは、車検時の合否判定が非常にグレーです。

私が懇意にしている整備工場や車検業者2社に詳しくヒアリングしたところ、以下のような回答でした。

荷室後部の窓自体は、バックミラーやサイドミラーで後方視界が確保されていれば塞ぐこと自体は法的に即NGとは言い切れないケースもある。しかし、『走行中に乗員へ危険を及ぼす突起物・造作物とみなされるかどうか』『強固に固定されすぎていて車両構造の変更と取られるか』は、最終的に陸運局の検査官個人の判断に委ねられる部分が大きい。落とされるリスクを避けるなら、検査時は外しておくのが現場の鉄則。

つまり、「このやり方なら100%車検に通る」と断言できる固定加工は存在のかもしれませんね。

最初の失敗:木ネジ直留めでは「毎年車検」に耐えられない

タウンエースのような4ナンバー商用バンは、毎年車検です。

実は私、最初は下地木材に直接タッピング木ネジをねじ込んでパンチングボードを固定していました。見た目は綺麗に収まったのですが、1回目の車検の際、車屋さんから「検査官によってハネられる可能性が高いから、受検前に外しておいて」と言われました。

ここで問題が発生します。 木材に直接ねじ込んだ木ネジを毎年「外して、また締めて」を繰り返すと、すぐにネジ穴が間違いなくバカ(緩小化)になります。 走行中の振動でネジが緩み、重いボードが脱落したら大事故に繋がりかねません。実際、1度目の車検後にすぐにネジ穴がグラグラになりました。

そこで行き着いた結論が、下地木材に金属製の「鬼目ナット」を埋め込み、ミリネジのボルト留めにすることでした。これなら何度脱着しても下地が傷まず、工具1本でわずか3分で元通りに復帰できます。

この仕様ですが、たまたま手元に丁度良い下地板とか鬼目ナットが余っていたので作った仕様となっています。他の方法もあると思いますので参考程度で

準備するもの(材料・工具・費用感)

今回のDIYにかかった費用は、左右両側の施工でおよそ14,000円程度です。

使用した部材・マテリアル

以下、その他の材料

  • 下地用角材: 窓枠の深さに合わせた木材(厚み15〜20mm程度の端材やヒノキ角材)※自宅に余っていた適当な部材を使用。
  • 鬼目ナット(ねじ込みタイプ): M3~M5サイズ × 上下計4〜8個
  • トラス頭小ネジ(ボルト): 鬼目ナットと同規格のM3/M5(首下長さ20〜25mm程度)

使用工具

  • インパクトドライバー(または電動ドリルドライバー)
  • 木工用ドリル刃(下穴用および鬼目ナット埋め込み径用)
  • 六角棒レンチ(鬼目ナットねじ込み用)
  • ノコギリ(またはジグソー)
  • ヤスリ(鬼目+仕上げ用)
  • カッターナイフ、定規、油性マジック

【作業手順】サイド窓パンチングボード化の8ステップ

それでは、実際の作業手順をステップ順に解説します。

窓枠ゴムモールの取り外し

タウンエースの荷室後部サイド窓には、鉄板のフチを覆うようにゴム製モールがはまっています。これは接着剤等で固定されているわけではなく、溝に挟まっているだけです。端をつまんで上に引っ張るだけで、工具を使わずペリペリと簡単に外れます。外したゴムは念のため現状復帰時に備えて保管しておきます。(車検時にはゴムに関しては指摘されないのでそのままでOKです)

黒プラダンによる遮光・目隠しベースの作成

パンチングボードは無数の穴(径5mm、ピッチ25mm)が空いているため、そのまま窓に貼ると外の光が漏れたり、夜間に車内の明かりをつけると車外に光がもれたりします。「隙間から光が漏れるのは嫌!」という妻の強い要望もあり、遮光層を挟むことにしました。 窓枠の形状に合わせてカッターでカットした黒プラダンを、ガラス面に直接沿わせるようにはめ込みます。これだけで完全な遮光性とプライバシーが確保できます。

窓枠とガラスの隙間を埋める下地木材の設置

ゴムモールを外した窓枠の鉄板部分と窓ガラスの間には、数センチの奥行き(隙間)が存在します。ここに、隙間の溝幅にある程度合わせた角材を調達して、上下の枠にしっかりと埋め込みます。この木材が、後ほど鬼目ナットを打ち込んでボード全体を支える「アンカー(下地)」となります。ガラス面にはプラダンが貼ってあるのでそれがクッションになるので、木材の厚みは多少雑でもプラダンの弾力で固定できるカモです。

下地木材を使わず、窓枠の鉄板部分の穴にブラインドナットを入れて処理する方法もあるかなぁ~と思います(その方がきれいには出来そうです)

パンチングボードの採寸と外周カット

窓枠開口部の寸法を測り、購入したパンチングボードをノコギリまたはジグソーで切り出します。タウンエースのリアサイド窓枠は完全な四角形ではなく、角がなだらかなアールを描いています。角を少しずつ削り落とし、枠の内周に数ミリのクリアランスを残してスッと収まる形状に整えます。

ボルト穴のドリル加工

切り出したパンチングボードを仮当てし、パンチングボードの穴から取り付け位置を決めてマジック印をつけたら、窓ガラスを傷つけないよう保護板を背面に差し込んだ状態で、ドリルで垂直に穴を開けます。まずは細いドリル刃でセンターを捉えて貫通させ、位置ズレを防ぎます。

固定位置のマーキング

上下の下地木材を枠と窓ガラスの間に当て、STEP⑤の穴から細い油性マジックを差し込んで下地木材の表面にマーキング(印付け)を行います。上下それぞれ2箇所ずつ、計4箇所を均等にマークします。

鬼目ナットの埋め込み加工

ここが本カスタム最大のキモです。 使用する鬼目ナットの外径指定に合わせた木工ドリル(例:M5用なら下穴径7.7〜8.0mm程度)で木材の穴を拡張します。深さを確認したら、六角レンチを使って鬼目ナットを垂直にねじ込んでいきます。木材の表面とナットの頭がツライチ(平ら)になるまで綺麗に沈め込むのがポイントです。これで、強靭な金属ネジ受けが完成します。(どーせ見えない場所なので若干雑なのは全然OK)

前述していますが、下地木材を使わず、窓枠の鉄板部分の穴にブラインドナットを入れて作る方法もアリで、使い勝手的にこちらの方がおすすめかもしれません。

ボルト固定と完成

下地木材を窓枠の定位置に戻し、黒プラダンを挟んだ上でパンチングボードを重ねます。STEP⑤で位置合わせした既存の穴を通し、ワッシャーを噛ませたボルトを下地の鬼目ナットへ締め込みます。4本のボルトを均等に締め付ければ、ガタつきが一切ない強固なパンチングボード壁が完成です。

実際に使ってわかったメリット・誤算・使い分け

完成後、実際に堤防釣り遠征や車中泊で使ってみた。その率直なレビューです。

運転席側(棚側):調理・小物の司令塔として大活躍

運転席側のリアサイドには自作のキッチン・収納棚を配置しているため、このパンチングボードが神がかった利便性を発揮しています。 100円ショップやホームセンターで手に入る専用フックやミニワイヤーバスケットを掛け、シェラカップ、調理用ハサミ、トング、LEDライト、スパイス類をスマートに吊り下げ収納できます。「必要なギアに手を伸ばせば1秒で届く」コックピットのような使い勝手になり、限られた車内スペースが広く使えるようになりました。また、写真のようにポタ電と接続する用のレトロおしゃれな電源タップを取り付けしたのですが、これが色々と便利です。

助手席側:事前に考えてなかった誤算

一方、助手席側については、実際に運用してみてちょっとした誤算がありました。 我が家のタウンエースは、展開時に助手席側が「ソファの背もたれ」になるレイアウトを採用しています。そのため、ボードにフックやカゴを吊り下げると、背中や肩にゴツゴツ当たってしまい、何も掛けられないという事態に陥りました。

「正直、助手席側はボード化しなくても良かったかも……」と苦笑いしたのが本音です。 ただ、木目調のヴィンテージ感自体が車内の温もりを演出してくれているため、現在はフック類は付けず、薄いブリキのヴィンテージ看板や旅先で撮ったチェキ写真をフラットに飾る「メモリアルウォール」として活用を模索しています。

走行中の脱落・異音(ビビり音)の検証

商用バンDIYで心配なのが、走行中の「カタカタ」「ビビビ」というきしみ音です。 黒プラダンが適度な緩衝材(クッション)の役割を果たしていること、そして鬼目ナットによる金属ボルト留めで均等なトルクをかけていることから、荒れた舗装路や段差を越えても異音は一切発生していません。100km/hの高速巡航でも極めて安定しています。

まとめ:車検対応と実用性を両立するカスタムの心得

タウンエースの窓枠パンチングボード化は、ダイネット展開時の利便性を引き上げ、室内のおしゃれ感が手軽にアップするDIYです。

これから挑戦される方は、ぜひ以下の2点を強く意識してください。

  1. 毎年外すことを前提に設計する: 検査官のリスクを考え、手戻りのない「取り外し可能な構造」を採用すること。
  2. 座席レイアウトとの干渉を計算する: 人の身体が触れる位置にフックが来ないか、事前に座ってみて確認すること。

ボルト4本を六角レンチで緩めるだけで、わずか2〜3分で完全に元の状態に戻せる構造にしておけば、毎年の車検も何も怖くありません。

愛車のスペースを1ミリも無駄にせず、自分たちだけの快適な移動基地を組み上げていく。これこそがタウンエース車中泊DIYの醍醐味です。安全かつスマートにカスタムを楽しんでいきましょう!

【おまけ】ブラインドナットとは?

記事の中で「鉄板に直接ネジ穴を作るならブラインドナットもおすすめ」と触れましたが、「そもそもそれ何?」という方に向けて、参考までに基本的な仕組みとおすすめの道具を解説しておきます。

表側からかしめるだけで「強固なネジ穴」ができる金具

車のピラーや窓枠周辺の鉄板は中空(袋状)になっていることが多く、裏側に手やレンチが届きません。通常ならボルト留めを諦めてタッピングビスに頼りがちな場所ですが、そこで役立つのがブラインドナット(通称:エビナット)です。

  • 仕組み: 表側から下穴に差し込み、専用工具でグッと引っ張ると、見えない裏側のスリーブ部分が押し潰されて鉄板をガッチリ挟み込みます。
  • メリット: 車体鉄板そのものにミリネジ規格(M4、M5など)の強固な雌ネジが完成するため、木材の下地を仕込む手間が省け、仕上がりもミリ単位でフラットになります。

工具は2択:本格的な「ハンドナッター」か、手軽な「ちょっとナッター」か

ブラインドナットを取り付けるには、ナットを引っ張ってかしめるための工具が必要です。作業規模に合わせて選ぶのが失敗しないポイントです。

1. ハンドナッター(数箇所〜車内全体をカスタムするなら)

  • 特徴: リベッターのような形状で、両手(または片手)グリップで力をかけてかしめる専用工具。
  • メリット: てこの原理でしっかりトルクがかかるため、スピーディーかつ均一にかしめられます。
  • 価格帯: 2,000円〜5,000円前後。今後も車内のあちこちにネジ穴を作りたいなら、持っておいて損はありません。

2. ちょっとナッター(ロブテックス製・手軽に数箇所だけ試すなら)

  • 特徴: 専用の大型工具を使わず、付属のマンドレル(ボルト)と手持ちの六角レンチ・スパナで手動かしめができる簡易治具キット。
  • メリット: ナット数個と治具がセットで数百円〜1,000円程度と非常にリーズナブル。
  • 注意点: 1箇所ずつレンチを回し込んで手動で潰すため、施工箇所が多いと手が疲れます。今回の窓枠4〜8箇所程度をスポットで試すなら十分実用的です。

ざっくりとした取り付け手順

  1. 鉄工ドリルで下穴あけ: ナットの外径に合わせて窓枠鉄板に穴を開けます(※鉄粉の掃除、バリ取り、防錆タッチアップは必須)。
  2. 工具にセットして挿入: ナッターの先端にブラインドナットをねじ込み、開けた穴へ差し込みます。
  3. かしめる: レバーを握る(またはボルトを締め込む)と、裏側が変形して鉄板を挟み込みます。
  4. 工具を外して完了: ナッターを逆回転させて外せば、綺麗なネジ穴が完成。

鉄板への穴あけや防錆処理というひと手間は発生しますが、「より薄く、純正ライクにスッキリ仕上げたい!」という方は、選択肢のひとつとしてチェックしてみてください。