「車中泊カスタムを始めたいけど、何から手をつければいいんだろう?」 「タウンエースのロードノイズや暑さ・寒さが心配…」
そう思っていませんか?僕の愛車であるタウンエースバン(S402M)も、元々はただの商用バンでした。しかし、車中泊を快適に楽しむためには、まず車内の環境を整えることが不可欠です。
この記事では、僕が妻と二人で挑戦したタウンエースのデッドニング・断熱DIYについて、作業の手順から材料の選び方、そして実際にやってみてわかった苦労や効果まで、すべて正直にお伝えします。これからDIYに挑戦するあなたの参考になるよう、具体的な情報とリアルな体験談を詰め込みました。※その②はこちら
はじめに:なぜタウンエースのデッドニング・断熱が必要?
タウンエースが商用車として作られていることには、大きなメリットとデメリットがあります。メリットは、シンプルで頑丈な構造からくるコストの安さやDIYのしやすさです。しかし、デメリットとして、乗用車のような快適性は犠牲にされています。特に、防音・断熱処理は最低限しか施されていません。
デッドニング(制振作業)
デッドニングとは、ドアや天井、床といった車のパネルに制振材を貼り付けることで、走行中に発生する振動を抑え、ロードノイズやエンジン音を低減する作業です。
タウンエースはエンジンが運転席と助手席の下にある「キャブオーバー」という構造のため、ノーマルの状態では、エンジン音やロードノイズが車内にダイレクトに響き、音楽がまともに聞こえなかったり、運転席と助手席で会話するのも一苦労というレベルです。この騒音を解消するために、デッドニングは必須の作業でした。
断熱処理
断熱処理は、その名の通り、車内と外気の温度差を埋めるための作業です。タウンエースのような商用車は、断熱材が薄いため、夏は外の熱気が車内に入り込み、冬は暖房の熱がすぐに逃げてしまいます。特に荷室は床下から底冷えがひどく、車中泊で快適に眠るには断熱処理が欠かせません。
また、エンジンが運転席と助手席の下にあるタウンエースは、夏の走行時に足元が高温になりがちです。少しでもこの熱を和らげるためにも、床下の断熱処理は非常に重要な作業だと感じています。
【地獄】天井のクッションはがし編:DIY初心者が陥りがちな落とし穴
デッドニング・断熱作業の最初の難関は、車内をまっさらな状態にすること。特に、天井のクッションを剥がす作業は、僕たちの車中泊DIYで最大の難所でした。
デッドニング・断熱前の事前準備レポート
後にブログをやるとは思っていなかったので、多くの写真がなくイラストで大まかに説明するとまず最初にやるべき作業準備は以下の4点+養生作業です。

上記の準備の詳細を以下で解説します。
僕たちは外さないで作業を開始して後に外すことになるのですが、あらかじめ外しておいた方がだいぶ作業しやすいと思いますので、これは最初にやっておくべきでしょう。後部座席は4本のボルトで固定されているだけの簡単な作りなので、迷うことなく外せます。
最終的には断熱材をしてからウッドパネルを敷くので、細かい汚れは気にしませんでしたが、念のためシール剥がし剤でベタベタした部分をきれいにしておきました。

イラストにあるような頼りない骨組みが天井についているので、六角ボルトを外して撤去しました。
実は、次の作業を始めてから「これはヤバい!」と気づき、急遽作業を中断して養生マスキングテープを張ったのですが、僕たちは甘くみて初日はちょっとしか貼りませんでしたが後に後悔し、次の日に念入りに貼りました。大量のゴミが出るため、フロア床も含めて事前に念入りにやっておくことを強くおすすめします。

これは本当に地獄でした。僕たちのタウンエース(S402M)の天井の断熱材は、強力な接着剤で全面に糊付けされたスポンジシートでした。




写真のように、接着剤が強力な一方で、シート自体が古くもろいため、少し引っ張るだけで表面のビニールが千切れてしまい、スポンジが天井に残ってしまうのです。
残ったスポンジにシール剥がし剤を染み込ませ、ヘラで少しずつこそぎ落とすという、途方もない作業を強いられました。妻と二人がかりで作業を続けましたが、天井をきれいにするだけで2日間、10時間以上もかかった気がします。作業後は二人とも筋肉痛がひどかったです(笑)。

ちなみに、僕たちは近所のホームセンターで買った『風神』というシール剥がし剤を使いましたが、見た目とネーミングで「これはメチャクチャ落ちるはず!」と買ったものの、結局4本も使う羽目に…。しかも、シンナーのような強烈な匂いが数日間取れませんでした。

作業後は写真のように、風神が染み込んだスポンジのカスが大量に車内に散乱しました。前述していますが、初日は甘く見てちょっとしか養生しませんでしたが、後悔して後にがっつり処理しました。

そんなこんなで、2日間かなりの苦労をして天井のスポンジを剥がしました(実は、僕はこの土日は仕事が少しあって家を空ける時間があったので、、ぶっ通しで作業してたのは妻ですw)



完了時には二人して歓喜の雄たけびを上げましたが、よく考えたら・・・これ、デッドニング作業のまだ準備なんですよね(笑
ともかく、これでようやく天井とフロアのデッドニング・断熱処理の準備が完了しました。
僕たちのタウンエースはS402Mですが、それ以降のモデルは、天井にカバーがあって、その中に骨組みとウレタンフォームっぽい断熱材が簡単に貼ってある構造が多いようで、Youtube等で見る限りでは剥がすのはもっと楽みたいです。これからDIYする方はご安心ください。
ちなみに、僕たちと同じS402Mの方はYoutubeやブログを見る限り皆さん苦労しているみたいで、ある程度のところで諦めてる人もいるので、僕たちはかなり頑張った方だと思います。(自画自賛w)
デッドニング&断熱作業編:材料選びと効果を実感
天井と荷室の床をきれいにするという最大の難関を乗り越え、いよいよデッドニングシートと断熱シートの貼り付け作業です。
使った材料はページの最後でもご紹介しますが、まずは簡単紹介と選んだ理由を簡単に。
僕たちが使った材料はこれ。
デッドニングシート
デッドニングシートは、有名なレジェトレックスではなく、ネットで安くて評価の高かったロールタイプを自分たちで裁断して使うことにしました。コストを抑えつつ、制振効果を最大限に引き出したかったからです。

レジェトレックスのサイズやYouTubeで見た事例を参考に、それっぽいサイズに裁断したデッドニングシートを大量に準備しました。
※ご予算ある人はすでに最適な大きさにカットされているレジェトレックスを大量に用意したほうがだいぶ楽だと思います。
断熱材
天井の一層目、床等に使う断熱材は、ネット通販では比較的定番なものを10m購入しました。

断熱&吸音材
Youtube等のネット情報だと、シンサレートという吸音シートが人気でしたが予算の関係で多少安価な物を見つけ購入しました。

(シートではなくホームセンター等で安価に手に入るスタイロフォームで行う方もいますが、タウンエースは天井が低いこともあって、厚みの問題でスタイロフォームは使いませんでした)
デッドニング&断熱作業レポート
貼り付け作業前に、パーツクリーナー等を使って、余計な油分などを脱脂します。パーツクリーナーはホームセンター等で500円以下で売っているものでOKだと思います。

脱脂が終ったら、切り出したデッドニングシートを、天井とフロアに等間隔で貼り付けていきます。この際、専用の圧着ローラーを使うことで、シートをしっかりと密着させ、制振効果を高めることができます。

シートを貼った部分を手の甲でノックしてみると、貼っていない部分と比べて反響音が明らかに小さくなりました!

この変化を実感したときは、苦労が報われたようで、ちょっとした感動がありましたね。この作業はシートの切り出しから貼り付けまで、夫婦二人で2時間もかかりませんでした。


作業の注意点
デッドニング用制振材は、上記でいうと「青い部分」が金属で出来ているので裁断時や圧着時に手をスパッと切りやすいです(僕も何か所か切りました・・・)必ずゴム手袋等をして、けがをしないように作業しましょう!
続いて、断熱シートの貼り付けです。 天井の断熱材は、1層目に写真のような感じでアルミ断熱シートを貼っています。



天井の二層目とサイドパネルの隙間には、高い防音効果も期待できるシンサレートっぽい吸音・断熱素材を使いました。

妻が「少しでも防音を強化したい」という思いから、天井は二層構造にしましたが、やりすぎで逆に熱がこもるのでは…という懸念もあり、効果のほどは正直なところ不明です(笑)。

どちらのシートも裏に接着剤が付いているので、必要な大きさに切って貼るだけの簡単な作業です。天井の二層目の断熱材は厚みがあったので、骨組みの戻せるか不安でしたが大丈夫そうでした。

天井はこれで完成です。荷室の床もこの後、純正のマット?シート?を元に戻して第一弾の天井と荷室床は完成となりました。
まとめ
作業工程まとめ
今回は、僕が実際に挑戦したタウンエースの車中泊カスタムの中でも、一番最初にやるべきと思っているデッドニングと断熱作業について詳しくお伝えしました。(天井・床はあれこれする前にやらないと後が大変です)
デッドニングと断熱は、車中泊カスタムの中でも地味で大変な作業ですが、その効果は絶大です。
休日の天候の問題もあり、この作業を終えた後、この状態で二週間ほど乗ってみました。車内の静かさと、外気温の影響を受けにくくなったことで、次のカスタムへのモチベーションがさらに高まりました。ドアなど、残り部分のデッドニング&断熱作業については、また別の大変さもあったので別の記事でご紹介します。

この工程のポイント
- 天井と荷室のデッドニングは一番最初にやるべき
- 作業の前にセカンドシートを取り外していたほうが空間が作れてなにかと楽です
- ビニールでの養生マスキングはしっかりと行った方が絶対に良いです!
- シール剥がし剤はもしあるならシンナー臭?臭いの少ないものを
- 【S402Mの人限定】天井はがしは一人でやるな!お金を払ってでも2人以上でやろう!(笑)
- 制振材や断熱材は浮きや隙間がないようデッドニングローラー等を使ってしっかりと処理
この作業で使った工具・材料まとめ
工具・道具関連

塗装用養生マスキングテープ
塗装用マスキングテープ 幅110cm×長20m:1399円(amazon参照)
養生マスキングテープは僕は何かと使うシーンも多いので、なんだかんだ常備しています。ビニールの長さは、30cm程度の短いものと1m以上の長いもの2種類があると便利です。

万能ばさみ
WORKPRO 万能ハサミ:現在売り切れみたいですが1000円くらいでした。
万能ばさみは1000-3000円程度で色々売っていますので正直何を選んでもよさそうですが、必ず1個は持っておいた方がよいと思います。

カーボンヘラ
ダイソー:100円
正直、なんでもよいと思いますが意外にもダイソーは色々な種類のヘラを置いてました。一応金属のヘラも買ってみましたが使いにくくこっちのカーボンヘラの方が良かったです。
デッドニング用資材
デッドニングシート
Kaitou デッドニングシート 吸音材 5m:3816円(amazon参照)
レビューを見る限りなかなか評判の良いデッドニングシートです。僕たちは5mのシートを2個買いましたが、タウンエース全体の処理で2本目は半分程度余ってしまいましたが、1個では足りない印象です。
デッドニング&断熱①と②でかかった概算総費用:約35,000円