【自作】タウンエースの車中泊用ベッドキットを予算約6.5万円DIY!(前編)

タウンエース用自作ベッドキットのDIY①

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「車中泊用のベース車を手に入れたら、まずやりたいカスタム」の筆頭候補といえば、ベッドキットではないでしょうか。僕たちも当然そうでした。車中泊の快適性を左右するのは、何よりも「平らな寝床」です。

しかし、いざ既製品を探してみると、その価格に驚愕します。特に品質に定評のあるMGR Customsさんのキット一番高機能なもので、約19万円。もちろんそれだけの価値がある素晴らしい製品で口コミの評価も良いのですが、DIYを楽しみたい僕たち夫婦にとっては、かなり予算オーバーでした。

「だったら、自分たちで作ってみよう!」 そう意気込む妻。……いや、正確には「自作する気満々の妻」と、「実際に手を動かして作る僕」という役割分担のもと、タウンエース自作ベッドキットのプロジェクトが始動しました。この記事では、前編として「設計から土台の組み立て」まで、その全貌を徹底解説します。

タウンエースの車中泊用ベッドキット自作DIY完結編 【完結編】タウンエースの車中泊用自作ベッドキットを予算約6.5万円DIY!(後編)

19万円の既製品か、自作か?僕たちが「MGR風自作」を選んだ理由

ベッドキットをどうするか、最初は僕も悩みました。おそらくこの記事を読んでいる慎重派の方なら、コスパとタイパ(タイムパフォーマンス)を天秤にかけるはずです。19万円払って最高級の既製品を買うか、それとも材料を揃えて自分で作るか。

僕たちが自作を選んだ理由は、単なる節約だけではありません。「自分たちでDIYした経験は、いつか新車キャンピングカーとかに乗り換えた時に必ず役に立つ」と考えたからです。中古タウンエースという「最高の実験台」がある今、失敗を恐れず挑戦することに価値があると考えました。

・・・正直に白状すると、最初、妻に「分割払いで既製品買わない?」と提案はしてみましたw(即却下されました・・・)

設計のベースにしたのは、妻がYouTubeで見つけたMGR Customsさんの最新版ベッドキット。ダイネット(食堂)スタイルも展開できる高機能な構造です。最終的にはクッションや棚まで含めて総額6.5万円ほどかかりましたが、19万円の既製品に近い機能をこの予算で再現できるのは自作ならではの醍醐味です。

【ステップ1】荷室の採寸:雑だけど「論理的に正しい」仕様策定

DIY初心者が最も恐れるのが「現物合わせで失敗すること」ではないでしょうか。僕も仕事柄、根拠のない作業は不安になります。こればかりは「感覚」で進めるわけにはいきません。まずは荷室スペースを徹底的に採寸しました。

僕が使ったツールは、使い慣れたPowerPoint(パワポ)。CADのような専門ソフトを使わなくても、図形を組み合わせるだけで十分にそれっぽい設計図は作れます。

  • 全長:セカンドシートを倒した状態からバックドアまで、約185cmを確保。
  • 全幅:最大で150cm。タウンエースはコンパクトな外見に似合わず、実は広大な横幅を持っています。

※以下の画像はスワイプでめくれます。

セカンドシートを倒してベッド展開するので、シートの55cmと荷室長130cmの合算がベッド長となります。

荷室に突き出しているタイヤハウス部分の形も考慮。

上記の設計図僕の「雑採寸」で作ったものですので、信用せずにご自身で採寸する事をおすすめします(笑)

計算上、片側に棚を作ったとしても、横幅120cmの「セミダブルベッドサイズ」に近い就寝スペースが確保できることがわかりました。これなら大人2人でも窮屈さを感じることなく、快適に眠れる。この「論理的な裏付け」が、作業を前に進める勇気をくれました。

【ステップ2】土台構造の設計:ダイネットスタイルへのこだわり

次は土台の構造設計です。一般的に自作ベッドキットには、おおざっぱに大きく分けて以下の2パターンがあります。

① パイプや骨組みのみの「シンプル系」

イレクターパイプ等で組んだベッドキットのイメージ
イレクターパイプ等を使って作ったベッドキットのイメージイラスト

ダイネットスタイル(リビング的なレイアウト)は考えず、就寝スペースと積載スペースの最大化を狙ったもの。車中泊仕様としては王道のスタイルです。

② ダイネットスタイルメインの「多機能系」

ダイネットスタイルを展開したベッドキットのイメージ
ダイネットスタイルを展開したベッドキットのイメージイラスト

ベッドのほかにテーブルやソファーなど、キャンピングカーに相当する居住性を盛り込んだ仕様です。

妻は当初からこの「多機能系」を熱望していました。僕たちの「1泊旅がメイン」「冷蔵庫やシンク(ギャレー)は不要」というスタイルを前提に考えた結果、「簡単な食事ができるテーブルがあり、窮屈ではないダイニングが展開できること」を最優先に決定。MGR Customs-エムジーアールカスタムズさんのキットを参考にした設計案を作成しました。※シンク(ギャレー)については最終的に別の方法でポータブル化しています。

※以下の画像はスワイプでめくれます。


【ステップ3】材料の準備と切り出し:自宅駐車場での「ご近所配慮」DIY

素材選びは非常に重要です。本来は無垢材の質感を楽しみたかったのですが、コスト面と、加工ミスをした際にすぐ買いに走れる「入手性」を重視し、ホームセンターで定番の「パイン集成材」を選択しました。

購入した資材リスト(BOX部分土台編)

  • パイン集成材(1200×350×18mm):4枚(約11,920円)
  • パイン集成材(1820×350×18mm):1枚(約4,298円)
  • 内角&縁の補強用木材(30×40×1985mm):6本(約1,880円)
  • 木ネジ各種(30mm/50mm):約1,000円

合計で約2万円。後の工程で紹介するマット材や棚板を含めると最終的に6万円近くになりますが、まずはこの土台がすべてのベースになります。

横浜の住宅街でDIYを成功させる秘訣

僕の家は横浜の密集地です。丸のこの音は結構響きます。フリーランスという立場を活かし、作業は平日の日中に限定。作業前には近所の方に「今日、少しお騒がせします」と挨拶を欠かしません。この一言があるだけで、周囲の理解が得やすくなり、DIYの心理的ハードルはグッと下がります。

【ステップ4】ベース板の作成:強度と軽量化を両立する「ランバーコア」の選択

土台の上に載せる「ベッドマットのベース板」選び。ここが今回のこだわりポイントです。よく使われる素材には以下の種類がありますが、僕っ達は「ランバーコア」を選びました。

  • コンパネ(合板):安くて強いが、重くて表面がザラつく。
  • ラワン合板(普通合板):薄いものは強度が足りず、厚いものは重い。
  • MDF:平滑で加工しやすいが、湿気に弱く、とにかく重い。
  • ランバーコア:木片を芯材にしてベニヤを貼った板。強度があるのに驚くほど軽い。

ここで悩んだのが「板の厚み」です。ネットで先人たちの情報を漁ると、「12mm以上の厚さがあれば補強なしでイケる」という声が多く見つかりました。

確かに12mmならより軽くて安価なのですが、最近の僕の体重増加(笑)を考慮し、万が一の「たわみ」を嫌って、今回は念のため「厚さ15mm」のラワンランバーコアを選択しました。3,280円(1枚)程度と同サイズのラワン合板と比べると倍の価格なのですが、ベッドマットの「蓋」として頻繁に開閉することを考えると、この「軽さと安心感」は譲れないメリットでした。

購入した資材リスト(ベッドマット部分土台編)

  • ランバーコア(1820×910×15mm):2枚(約6,560円)
  • パイン集成材(1820×300×15mm):1枚(約3,380円)

※以下の画像はスワイプでめくれます。

大きな板を正確に切るのは大変なので、ホームセンターの「カットサービス」をフル活用しました。1カット数十円で、プロがミリ単位で切ってくれます。余った端材も引き取ってもらえるので、ゴミも出ません。

自宅でカット作業しない場合は、購入する素材のリストをあらかじめ確定し、自宅で各購入素材のカット加工表を作って依頼時に添付するとスムーズに作業に入れると思います。

【ステップ5】仮組みと組み立て:アバウトな設計が現場で収まる瞬間

材料が揃ったところで、いよいよ車内での組み立てです。パワポで引いたアバウトな設計図が、実車に合うかどうか……。DIYで最も胃が痛くなる、そして最もワクワクする瞬間です。

まずは土台を車内に置き、位置を調整します。タウンエースの荷室はフラットに見えて、両壁側は色々凹凸があります。そこを現物合わせで微調整しながら、ガタツキが出ないように両側のフタとなる素材を加工していきます。

※以下の画像はスワイプでめくれます。

わりと良い感じの収納力を確保できます。

一応設計は作りましたが、ポタ電入れ部分は現物合わせで(笑)

組みあがるとこんな感じに。

組み立てが進むにつれ、ただの「板」だったものが、僕たちの「居住空間」に変わっていく。アバウトだった設計が、まるでパズルのピースがハマるように収まった時、思わず自画自賛してしまいました。

「これ、もうこのまま寝れるんじゃない?」 実際、この状態でもインフレーターマットを敷けば、十分に車中泊が可能です。天然木の香りが漂う荷室は、それだけで最高に居心地の良い秘密基地になりました。

※以下の画像はスワイプでめくれます。

この状態でも寝れますね。

ポタ電もぴったり収まってます。

まとめ:土台完成!いよいよ次は「極上の寝心地」作りへ

ベッドキット自作の前編、いかがでしたでしょうか。 最終的な総額としては約6.5万円となりました。正直なところ、作ってみると細かな材料費が積み重なり、「驚くほどの激安!」というわけにはいきません(笑)。

しかし、19万円の既製品に匹敵する機能を、自分たちの旅のスタイルに合わせて作り込んだ満足感。そして何より、苦労して組み上げたからこそ湧いてくる「愛着」を含めれば、コスパ以上の価値が間違いなくあると感じています。自分の手で愛車のサイズを測り、悩みながら形にしたこの経験は、僕たちにとって最高の資産になりました。

もちろん、これで完成ではありません。現在の状態はあくまで「木の土台」。この上に、クッションを仕込み、さらに利便性を高める棚やテーブルを追加しなければなりません。

次の記事で、ベッドキットの完成まで公開します。

タウンエースの車中泊用ベッドキット自作DIY完結編 【完結編】タウンエースの車中泊用自作ベッドキットを予算約6.5万円DIY!(後編)

今回の作業で使った部材

今回の作業で使った工具(必須)

自宅で木材加工する際に使う工具

あったら便利なアイテム