キャンピングカー8ナンバーとは?税金・車検・条件を徹底解説

「キャンピングカーについている、ナンバープレートの8ナンバーって何だろう?」 「4ナンバーや3ナンバーと比べて、税金や車検はどう違うの?」

車中泊やキャンピングカーに興味を持つと、必ずと言っていいほど耳にするのが「8ナンバー」という言葉ですよね。僕自身もDIYでタウンエースをカスタムしているときに、この「8ナンバー」の存在を知り、本格的なキャンピングカーの世界の奥深さを知りました。

この記事では、キャンピングカー8ナンバーの定義や条件、そして気になる税金や車検について、4ナンバー・1ナンバーと比較しながら、初心者の方にも分かりやすく解説します。この記事を読めば、あなたがどのナンバーの車を選ぶべきか、きっと見えてくるはずです。


キャンピングカー8ナンバーの定義と条件

8ナンバーとは、正式には「特種用途自動車」と呼ばれる車両に与えられるナンバー区分です。キャンピングカーやパトカー、消防車、霊柩車など、特別な用途のために使われる車がこの区分にあたります。

8ナンバーの基準(シンク・ベッド・調理設備など)

キャンピングカーとして8ナンバーを取得するには、国土交通省が定める厳しい構造要件を満たす必要があります。主な条件は以下の通りです。

  • 就寝設備: 乗車定員の3分の1以上が就寝できるスペースが必要です。
  • 調理設備: 車内で調理ができるガスコンロやIHコンロが必須です。
  • 給排水設備: 10リットル以上の水が供給できるシンクとタンクが必要です。
  • その他: 居住空間の確保や、車内で食事ができるテーブルの設置なども求められます。

これらの要件を満たすことで、ようやく8ナンバーの登録が可能になります。

申請の流れと必要な装備

8ナンバーの申請は、車両の改造後に専門業者に依頼するのが一般的です。DIYでの取得は可能ですが、専門知識と書類作成の手間がかかるため、ハードルが高いのが現状です。僕もDIYを始めた頃は「いつか8ナンバーを取れたらな…」と漠然と考えていましたが、シンクやコンロなど本格的な設備を設置する手間を考えると、まずは気軽に車中泊を楽しむ道を選びました。


8ナンバー車の代表例と特徴

キャンピングカー8ナンバーの代表格といえば、トラックをベースにした「キャブコン」です。

  • キャブコン: トラックの運転席部分(キャブ)だけを残し、荷台に専用の居住スペースを架装したキャンピングカーです。広い車内空間と豊富な設備が魅力で、まさに「走る家」です。
  • バンコン: ハイエースやキャラバン、タウンエースといったバンをベースにしたもので、専門ビルダーが8ナンバー要件を満たすようにカスタムしたモデルも多数存在します。

4ナンバー車(タウンエース等)との違い

僕の愛車であるタウンエースバンは4ナンバーです。4ナンバー車は荷物を運ぶための「貨物車」であり、車中泊に必要なベッドなどをDIYで設置することはできますが、調理設備やシンクなどの常設は車検の規定から外れてしまう場合があります。8ナンバー車は最初から「キャンピングカー」として認められているため、これらの設備が自由に設置できる点が大きな違いです。


税金比較(8ナンバー vs 4ナンバー vs 1ナンバー)

キャンピングカー8ナンバー最大のメリットの一つが、税制上の優遇です。貨物車である4ナンバーや1ナンバー、そして一般的な乗用車と比較してみましょう。

自動車税(種別割)と自動車重量税

8ナンバー車
(キャンピング車)
1・4ナンバー車
(貨物車)
自動車税(年額)2.0L以下:25,000円
(乗用車より約30%安い)
1t以下:8,000円
1t超:11,500円
自動車重量税(年額)1.5t以下:8,200円
(乗用車より約30%安い)
1.5t以下:3,300円
1.5t超:6,600円

※いずれもエコカー減税対象外、自家用・乗車定員10名以下の場合の目安です。

このように、8ナンバー車は排気量や車両重量によって税額が決まりますが、同じ排気量の乗用車(例:2.0Lで36,000円)と比べると、自動車税が約30%安く設定されています。

一方で、4ナンバーや1ナンバーの貨物車は、自動車税が最大積載量で決まるため、僕のタウンエースのように1トン以下のモデルであれば、年額8,000円と、8ナンバー車よりもさらに安価になります。

僕のようなフリーランスは、毎年春に自動車税の納付書が届くたびに「今年はいくらだろう…」とドキドキしますが、8ナンバー車は税制面での優遇がしっかりあり、維持費を考える上で非常に大きな魅力です。


車検比較と維持費

車検のサイクルも、8ナンバー車と他のナンバー区分で異なります。

項目8ナンバー車4ナンバー・1ナンバー車
車検サイクル新車時:2年
以降:2年ごと
新車時:2年
以降:毎年(1年ごと)
車検費用1回あたりの費用は高価1回あたりの費用は安価
年間の維持費車検回数が少ない車検回数が多い

8ナンバー車の車検サイクルは、乗用車と同じく2年ごとです。一方、僕のタウンエースをはじめとする4ナンバー・1ナンバー車は、新車時こそ2年ですが、それ以降は毎年車検を受ける必要があります。

ここでは、2年間の維持費の目安を比較してみましょう。

費用項目8ナンバー車
(キャンピング車)
4ナンバー車
(貨物車)
自動車税(2年分)25,000円 × 2年 = 50,000円8,000円 × 2年 = 16,000円
自賠責保険料(2年分)17,650円(24ヶ月)28,560円(12ヶ月×2)
重量税(2年分)16,400円(1.5t以下)6,600円(1t以下)
検査手数料(2年分)2,200円(1回分)4,200円(2回分)
車検基本料・整備代(2年分)約100,000円(1回分)約60,000円(2回分)
合計(概算)約186,250円約115,360円

※車検基本料・整備代は、専門業者に依頼した場合の目安です。車両の状態や依頼先によって変動します。

8ナンバー車は、専門的な点検や部品交換が必要なため、1回あたりの車検費用は高価になる傾向にありますが、車検回数が少ないため、年間の維持費としては、他の貨物車と大きく変わらない場合もあります。

僕はDIYで車内をカスタムしていますが、毎年車検があるため、常に「車検対応」を意識して作業を進めています。ベッドや棚の固定方法を工夫したり、取り外し可能な設計にしたりと、車検に通るための知識が自然と身につきました。


キャンピングカー8ナンバーのメリットとデメリット

メリット:正式キャンピングカー登録、税制優遇、装備の自由度

キャンピングカー8ナンバーの最大のメリットは、税金の安さに加え、車内を自由にカスタムできることです。車検のたびにDIYで取り付けたものを外す必要がなく、安心して車中泊を楽しめます。また、正式なキャンピングカーとして認められているため、旅先での注目度も高いです。

デメリット:構造要件が厳しい、改造費用が高い

一方で、デメリットは構造要件が厳しいことです。DIYで8ナンバーを取得するには専門知識と技術が必要で、時間も費用もかかります。また、8ナンバーのキャンピングカーは、高価なベース車両やプロの架装費用がかかるため、初期費用が非常に高くなる傾向にあります。

僕自身は、手軽に車中泊を楽しむためにDIYを選びましたが、もし予算に余裕があれば、最初から8ナンバーのキャンピングカーを手に入れて、快適な旅を始めるのも良い選択だと思います。


まとめ:利用スタイルに合わせた選択が重要

今回は、キャンピングカー8ナンバーの魅力と注意点について解説しました。

  • 8ナンバー車は、プロの技術で本格的な設備が整っており、税制優遇も受けられます。
  • 4ナンバー車・1ナンバー車は、DIYで気軽にカスタムを楽しめ、普段使いとの両立がしやすいのが魅力です。

どちらが優れているということではなく、あなたのライフスタイルに合っているかが重要です。本格的な長期の旅を楽しみたいなら8ナンバー、週末の気ままな一泊旅がメインで、DIYも楽しみたいなら4ナンバーや1ナンバーが良いでしょう。

ぜひ、この記事を参考に、あなたにとって最適なキャンピングカーを見つけてください。