車中泊のベース車両を探していると、「4ナンバー」という言葉をよく耳にしますよね。 「税金が安いらしいけど、車検が毎年って本当?」 「維持費は結局、普通車と比べてどうなの?」
そういった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。僕の愛車であるタウンエースバンも4ナンバー車です。
今回は、4ナンバー車が持つメリットとデメリットについて、普通車と比較しながら徹底的に解説します。僕自身のリアルな体験談も交えながら、あなたの車選びの参考になる情報をお届けしますね。
4ナンバー車とは?定義と特徴
4ナンバー車の条件(車体寸法・用途)
4ナンバー車とは、日本のナンバープレート分類番号で「4」から始まる車、つまり「小型貨物自動車」のことを指します。主に商用目的で荷物を運ぶために設計された車がこの区分になります。
4ナンバー車として認められるためには、いくつかの厳しい条件があります。
- 車体寸法: 全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.0m以下であること。
- 用途・積載: 荷物を運ぶことが主な目的のため、乗車定員よりも広い荷室スペースを確保する必要があります。
- 最大積載量: 決められた最大積載量を満たす必要があります。
ちなみに、ハイエースやキャラバンには、この寸法規定を超える「ワイドボディ」のモデルも存在します。これらのモデルは、さらに大きな「普通貨物自動車」となり、ナンバープレートの分類番号は「1ナンバー」となります。1ナンバー車は、4ナンバー車よりも税金や車検のルールが少し異なりますが、貨物車であるという基本的な特徴は共通しています。
普通車との違い
普通車(乗用車)は、ナンバープレートの分類番号が「5」や「3」から始まる車です。大きな違いは「乗用」と「貨物」という用途の違いにあります。4ナンバー車は荷物を運ぶことを最優先に作られているため、税金の仕組みや車検のルールが乗用車とは異なります。僕のタウンエースも、商用車としてシンプルな作りのため、DIYカスタムのベース車両として選んだという経緯があります。
代表的な4ナンバー車種(タウンエース・ハイエース・軽バン)
4ナンバー車の中には、車中泊やアウトドアのベース車両として人気の車種がたくさんあります。
- トヨタ・タウンエース: 僕の愛車。全長約4mとコンパクトで、日本の狭い道路でも取り回しがしやすいのが特徴です。車中泊に必要な広さを持ちながら、普段の買い物などでも気軽に使えるバランスの良さが魅力です。
- トヨタ・ハイエース/日産・キャラバン: 4ナンバー車の代表格。圧倒的な荷室の広さと積載能力が最大の魅力です。車中泊カスタムのベースとして非常に人気が高く、専用のカスタムパーツも豊富に販売されています。
- 軽バン(トヨタ・ピクシス・スズキ・エブリイ、ダイハツ・ハイゼットカーゴなど): 4ナンバー車の中でも特に維持費が安く、小回りが利くのが特徴です。一人での車中泊や、ミニマルなスタイルを好む人に人気があります。
僕のタウンエースは、この3車種の中でちょうど中間くらいのサイズ感です。ハイエースほどの積載量はないものの、夫婦2人の車中泊には十分な広さがあり、自宅の狭い駐車場にも楽に停められるので、非常に満足しています。
4ナンバーと普通車の税金比較
4ナンバー車と普通車の維持費を考える上で、最も大きな違いが税金です。ここでは、具体的な税額を比較しながら解説します。
自動車税(種別割):課税基準と税額の決定方法
課税基準 | 1・4ナンバー車(貨物) | 普通車(乗用) |
課税基準 | 最大積載量 | 総排気量 |
4ナンバー車の自動車税は、車の大きさや排気量ではなく、最大積載量で税額が決まるのが特徴です。例えば、僕のタウンエース(最大積載量800kg)のように1トン以下の自家用貨物車であれば、年間の自動車税は一律で8,000円です。
1ナンバー車(普通貨物自動車)も同様に最大積載量で税額が決まり、ハイエースのワイドボディなど、1トン超~2トン以下の自家用貨物車の場合、年間11,500円です。
対して、普通車(乗用車)の自動車税は、排気量が大きくなるほど税額も高くなります。
排気量 | 普通車(自家用)の自動車税(年額) |
1.0L超 〜 1.5L以下 | 30,500円 |
1.5L超 〜 2.0L以下 | 36,000円 |
2.0L超 〜 2.5L以下 | 43,500円 |
僕の愛車であるタウンエースバン(排気量1.5L)の場合、最大積載量が1トン以下なので、年間の自動車税は8,000円です。これがもし同じ排気量の普通車であれば、年間30,500円となり、年間で22,500円の差が生まれます。
自動車重量税:貨物車と乗用車で異なる税額
自動車重量税は、その名の通り「車の重さ」にかかる税金ですが、こちらも貨物車と乗用車では計算方法が異なります。
- 1・4ナンバー車(貨物):車両総重量(車両重量+最大積載量+乗車定員×55kg)が課税基準。
- 普通車(乗用車):車両重量(車検証に記載された車両の重さ)が課税基準。
例えば、車中泊のベース車両として人気の高いハイエースで比較してみましょう。車両総重量が3トン以下の4ナンバーハイエースバンの場合、2年分の自動車重量税は12,300円です。しかし、同じハイエースでも、3ナンバーのハイエースワゴン(車両重量2トン〜2.5トン)になると、2年分の自動車重量税は32,800円となり、大きな差が出ます。
このように、自動車重量税でも1・4ナンバー車は優遇されており、同じ重さの車でも税額に大きな差が出ます。
個人的には、毎年春に届く自動車税の納付書を見るたびに、この税負担の軽さが車中泊生活を続ける大きなモチベーションになりそうな気が居します(笑)
4ナンバー車の車検と維持費
4ナンバー車の維持費で、最も普通車と異なるのが車検のサイクルです。
項目 | 4ナンバー車 | 普通車 |
車検サイクル | 新車時:2年 以降:毎年(1年ごと) | 新車時:3年 以降:2年ごと |
車検費用 | 1回あたりの費用は安価 | 1回あたりの費用は高価 |
年間の維持費 | 車検回数が多いため、トータルでは同等になる場合も | 車検回数が少ない |
4ナンバー車の車検は、新車登録時のみ2年ですが、その後は毎年受ける必要があります。一回あたりの車検費用は乗用車より安価な傾向にありますが、車検回数が多いため、年間の維持費としては普通車と大きく変わらない場合もあります。
ここでは、車検時に必ず支払う必要がある「法定費用」の違いを比較してみましょう。
車検法定費用の比較(1年あたり)
費用項目 | 4ナンバー車(小型貨物) | 普通車(乗用) |
自動車重量税 | 3,300円(車両総重量1トン以下の場合) | 12,300円(車両重量1.5トン以下の場合) |
自賠責保険料 | 14,280円(12ヶ月契約) | 17,650円(24ヶ月契約÷2年) →年額8,825円相当 |
検査手数料(印紙代) | 2,100円(持込検査の場合) | 2,200円(持込検査の場合) |
※法定費用は、車両の条件(車両重量、最大積載量、経過年数など)や検査方法によって異なります。上記はあくまで目安です。
上記のように、4ナンバー車は自動車税が安くても、自賠責保険料は年間で見ると普通車より高くなる場合があります。これは、貨物車は乗用車よりも走行距離が長く、事故リスクが高く評価されているためです。
僕は、毎年車検は手間だと感じることもありますが、その分、プロの目で毎年点検してもらえるため、車両の状態を常に把握でき、安心して乗れるというメリットがあると前向きに捉えています。また、DIYでカスタムする際は、車検対応を意識した部品選びや施工を心がけるようにしています。
2年間の維持費比較:4ナンバー車 vs 普通車
ここでは、僕の愛車であるタウンエース(1トン以下)と、同じ排気量帯の普通車を想定して、2年間の維持費を比較してみます。
費用項目 | 4ナンバー車(小型貨物) | 普通車(1.5L以下) |
自動車税(2年分) | 8,000円 × 2年 = 16,000円 | 30,500円 × 2年 = 61,000円 |
自動車重量税(2年分) | 3,300円 × 2年 = 6,600円 | 12,300円(2年分) |
自賠責保険料(2年分) | 14,280円 × 2年 = 28,560円 | 17,650円(24ヶ月分) |
検査手数料(2年分) | 2,100円 × 2回 = 4,200円 | 2,200円(1回分) |
車検基本料・整備代 | 30,000円 × 2回 = 60,000円 | 60,000円(1回分) |
合計 | 115,360円 | 153,150円 |
※上記の「車検基本料・整備代」は、一般的な業者に依頼した場合の目安です。車両の状態や依頼先によって大きく変動します。
比較からわかるポイント
- 税金の差が最も大きい: 自動車税の年間差額がそのまま2年分に反映されるため、この部分が維持費の最も大きな違いとなります。
- 自賠責保険料は4ナンバーが割高: 貨物車は走行距離が長く、事故リスクが高く評価されるため、年間の自賠責保険料は普通車よりも高くなります。しかし、普通車は2年契約でまとめて支払うため、1年あたりの金額は4ナンバー車の方が高くなります。
- 車検の回数と費用: 4ナンバー車は毎年車検を受けるため、法定費用と車検基本料を毎年支払う必要があります。一方、普通車は2年に1回の車検で済みますが、1回あたりの車検費用は4ナンバー車よりも高くなる傾向にあります。
この比較から、税金の安さというメリットは大きいものの、車検費用を含めたトータルコストでは、年間あたりの維持費はそこまで大きな差にはならないことがわかります。しかし、車検基本料や整備代はあくまで目安であり、日頃から丁寧なメンテナンスを心がけることで、実際の維持費は大きく変わってきます。
4ナンバー車のメリットとデメリット
メリット:税金の安さ・積載性の高さ・維持費の軽さ
4ナンバー車の最大のメリットは、やはり税金の安さです。これは、毎年の維持費を考える上で非常に大きなポイントとなります。さらに、貨物車として設計されているため、積載性が高く、多くの荷物を積み込めるのも大きな利点です。僕が釣り道具やキャンプ道具をたくさん積んでも、まだまだ余裕があります。
デメリット:毎年車検・乗用車より制約あり
一方、デメリットは、毎年車検があることと、乗用車に比べて乗り心地や静粛性が劣る点です。長距離移動では、エンジン音やロードノイズが気になることがあります。また、一部の有料道路では、乗用車と異なる料金体系が適用される場合があるため、注意が必要です。
僕の個人的な所感としては、車中泊やDIYという目的が明確であれば、デメリットを上回るメリットがあるような気がします。
まとめ:あなたのライフスタイルに合うのは?
今回は、4ナンバー車の税金や車検、そしてメリット・デメリットを、普通車と比較しながら解説しました。
- 税金の安さや高い積載性を重視するなら、4ナンバー車がおすすめです。
- 毎年車検という手間や、乗り心地を重視するなら、普通車が良いでしょう。
最終的には、あなたの車の使い方やライフスタイルが一番重要です。通勤や日々の買い物にも使い、週末は車中泊を楽しむなら、タウンエースのようなコンパクトな4ナンバー車が良い選択肢になります。
ぜひ、この記事を参考に、あなたの目的に合った一台を見つけてください。