「車中泊を始めたいけど、どんな風にカスタムすればいいんだろう…」 「DIYに自信がないけど、具体的な事例を見てみたい…」
そう思っていませんか?僕の愛車、トヨタ・タウンエース(S402M)も、最初はただの商用バンでした。そこから、車中泊を楽しむための工夫を施し、自分たちだけの特別な空間へと変えていきました。
この記事では、(2025年8月現在)僕が実際に行ったタウンエースの車中泊カスタムの全貌を、写真と実体験を交えながら詳細に紹介します。これから車中泊を始めたい方や、愛車のカスタムを考えている方にとって、具体的な事例として役立つ情報となったら嬉しいです!
各作業項目については可能な限り別ページで作業工程やポイントを公開したいと思っています。
車中泊DIYはじめの一歩!デッドニング・断熱作業

作業内容の紹介と使用材料
デッドニングとは、車のパネルの振動を抑えて、ロードノイズやエンジン音を低減する作業のことです。そして断熱処理は、夏は外からの熱気を遮断し、冬は車内の暖かさを保つためのものです。僕たちのタウンエースは走行時のノイズがひどく、特にエンジンが座席の下にあるため、この2つの作業は必須だと考えていました。
デッドニングには、通販で安価なロール状の制振材を大量に購入し、パネルの形状に合わせてカットして貼り付けました。有名なブランドの制振材もありましたが、まずはコストを重視しました。断熱材についても、ノイズ吸収効果があるという、安価で評価の良い通販品を選びました。
効果と筆者の実体験
このデッドニングと断熱の作業は、今回の車中泊カスタムの中で一番大変な作業でした。一緒に作業した妻は「二度とやりたくない」と言うほどトラウマ化した作業でした(笑)
特に苦労したのは、タウンエースS402M特有の天井剥がしです。(今の型式はこんなに大変ではないです)天井の純正の断熱材が、強固な接着剤で一面に貼り付けてあり、少し引っ張るだけでボロボロと千切れてしまいます。きれいに剥がすために、シール剥がし材を染み込ませて少しずつこそぎ取る作業を続けた結果、天井だけで丸二日もかかりました。
この天井剥がしさえ乗り越えれば、その後の作業はスムーズに進みました。断熱材の貼り付けは妻と2人で1日ほどでほぼ完了しました。この苦労があったからこそ、施工後の静かになった車内でくつろいだ時は、本当に大きな達成感がありました。
車中泊カスタムで見栄えUP!天井の羽目板オールウッド化

加工理由と使用した木材の種類
デッドニングと断熱が終わった後、内装の質感を変えたいと思い、天井を羽目板でウッド化することにしました。ウッド化の理由はシンプルで、キャンピングカーらしい温かみのある空間を作りたかったからです。
使用した木材は、近所のホームセンターで手に入れた安価なレッドパイン羽目板と、通販の専門店で購入した羽目板のミックスです。
タウンエースS402Mは天井加工はキャビンまで!
僕の年式のタウンエースS402Mは、荷室とキャビンの境目にパネルがない簡素な作りです。そのため、天井の純正布を剥がすと、キャビン部分もすべてはがす必要が出てきます。
見た目の統一感を出すために、天井は荷室だけでなく、キャビンも含めてすべて羽目板で加工する必要がありました。
実際の作業で感じたこと
羽目板は、通販の専門店でまとめて注文した方が、品質が安定していて良いかもしれません。僕の場合、途中でホームセンターの羽目板が廃盤になってしまい、ネットで似たサイズのものを探して追加注文しました。結果的に、質感に若干の差が出てしまいました。
しかし、天井に羽目板が張られた空間は、想像以上に雰囲気が良く、車内がまるで秘密基地のようになりました。このウッド化は、見た目を変える上でかなり効果的な車中泊カスタムだったと実感しています。
商用車感を払拭!サイド・バックパネルとサンバイザーの張り替え

使用素材の特徴と製品名
車内のパネルは、純正のビニールっぽい生地が使われており、これが商用車感を強く出しています。この雰囲気を変えるために、サイドパネルとバックドアのパネルを張り替えることにしました。
使用した生地は、サンゲツのデニムⅡ(UP5377)です。この生地は、自動車の内装にも使える難燃性素材で、見た目も触り心地も良いのが特徴です。
施工後の仕上がりと感想
デッドニング・断熱作業でパネルを外す工程があったので、ついでに張り替え作業も行いました。最初はパネルだけを張り替える予定でしたが、生地が余ったので、フロントのサンバイザー(呼称あってる?)と、通販で購入したアームレストの生地も同じものに張り替えました。
仕上がりは、正直なところサンバイザーは素人感が出てしまいましたが、サイドとバックのパネルは思った以上にきれいに仕上がり、満足しています。車内の雰囲気が一気に変わり、自分たちの車になった実感が湧きました。当初、シルバーのボディカラーに合わせてデニム柄の生地を併せたのですが、ちょっと暗い印象もあるので別の色でもよかったかな?とも思ってはいます。今後また別のカラーに張り直しするかも???
多目的な活用!3列目サイド窓のパンチングボード加工

加工の目的と材料
荷室後部のサイド窓は、車中泊時に外から見えないようにすることも重要ですが、ただ塞ぐだけではもったいないと考えていました。そこで、棚やフックを取り付けられるように、パンチングボードをはめ込むことにしました。
使用したのは、通販で買ったヴィンテージ風の木目調パンチングボードです。窓のサイズに合わせてカットし、はめ込むだけのシンプルな方法で取り付けました。
今後の活用イメージ
見た目は非常にカッコよく仕上がったのですが、実はまだ何も活用できていません(笑)。今後は、片側に調理器具をかけたり、ミニマルな収納スペースとして活用したりと、使い方を検討中です。このパンチングボードがあれば、後から用途に合わせて様々なカスタマイズができるので、とても便利だと感じています。
洋室のような空間を!フロアのウッドパネル化とクッションフロア処理

加工内容と使用材料
無機質な純正の荷室の床を、フローリング風に変えるために、ウッドパネル化を行いました。
通販でタウンエース専用の床用木製パネルを購入し、その上にフローリング調のクッションフロアを施工しました。
掃除やメンテナンス面での利点
クッションフロアはビニール系の素材なので、汚れてもさっと水拭きできます。アウトドアで土や泥がついた荷物を積んでも、簡単に掃除ができるので、とても助かっています。また、デザインに飽きたらクッションフロアを張り替えるだけで、手軽に雰囲気を変えられる点も気に入っています・・・と、言いたいとこではあるのですが、ベッドキットを入れたら見える床部分はかなり少ないので、デザインに飽きるってことはなさそうです(笑)
収納多めの自作ベッドキット(ベッド兼ダイニング仕様)

レイアウトの参考にした事例
ベッドキットは、当初、MGRカスタムさんのタウンエース用ベッドキットを買おうと検討していました。しかし、価格が12万円ほどと高かったため、妻がYouTubeで見つけたMGRカスタムさんの最新版ベッドキットの動画を参考に、似た構造で自作することにしました。
実際の構造と利便性
僕たちのベッドキットは、荷室を最大限に活用できるよう、収納スペースを多めに設計しました。後方から見て、左側はソファーにもなる収納スペース、中央は4分割のクッションパーツで足元空間を確保し、右側はベッド展開時も使える収納棚になっています。
中央のクッションパーツを外すと、テーブル板をセットして食事や作業ができるダイネットモードに早変わりします。この構造とアイデアは、MGRカスタムさんのインスタや紹介されている動画を参考にさせていただきました。
同じような構造のベッドキットを専門業者に依頼すると高額になると思いますが、自作したことで費用は4万円程度で済みました。クッションマットのカバー作りは、ミシンを借りて妻と練習しながら作ったのでかなり苦労しましたが、全体の完成度には非常に満足しています。
車中泊時に便利!リアハッチを車内から開けられる施工

機能の必要性と利用シーン
車中泊中、ベッドにいる時にトイレなどで外に出たいシーンは意外と多いです。その際、サイドドアからではなく、すぐに外に出られるリアハッチから出入りしたいと思うことがよくあります。しかし、タウンエースは荷室からリアハッチを開閉する機能がありません。
そこで、YouTubeで見た動画を参考に、ハッチにドリルで小さな穴を開け、アルミ棒を通してハッチのロックを解除するワイヤーと接続することで、車内からハッチを開けられるようにしました。
施工後の使用感
このカスタムは、作業自体はそれほど難しくなかったのですが、ハッチに穴を開けるのは少し勇気が必要でした。しかし、完成してみると車中泊時にとても便利で、この加工をして本当に良かったと感じています。
まとめ:車中泊DIYを通して感じたことと今後の展望
僕たちのタウンエースカスタムは、有名な専門ビルダーさんのアイデアや、YouTubeの情報を参考にしながら進めてきました。そのため、オリジナル性は低いかもしれませんが、その分、使いやすく、実用性の高い構造になっていると思います。
全体にかかった費用は20万円程度と、外部の業者に依頼するよりもかなり安く抑えることができました。自分たちの手で作り上げたという愛着もひとしおです。
今後、さらに快適な車中泊旅ができるように、いくつかのカスタムを検討しています。
- 電源関係: 外部電源の引き込み口やソーラー充電パネルの設置
- 外装: 自分たちで好みの色にオールペイント
- 足回り: 乗り心地を改善するための足回りカスタム
- バッテリー容量強化: ポータブル電源の増設又はサブバッテリー?
これからも、この車中泊DIYを通して、自分たちだけの特別な車を育てていきたいと思います。